「緋紗子さんには、9つの秘密がある」、感想。

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あらすじ
学級委員長を押し付けられ、家では両親が離婚の危機。さらには幼なじみへの恋心も封印中。自分を出せない性格に悩みが募る高校2年生・由宇にとって「私と誰も仲良くしないでください」とクラスを凍りつかせた転校生・緋紗子さんとの出会いは衝撃だった。物怖じせず凛とした彼女に憧れを抱く由宇。だが偶然、緋紗子さんの体の重大な秘密を知ってしまい、ふたりの関係は思わぬ方向へ――。

緋紗子さんの秘密をひとつひとつ解いていくうちに、見えてくる本当の大切な秘密とは?


某所で前々から名前が上がってたのを今更読了。いや~よい青春小説であった……。読み終わったあと「最高かよ……」って呟けたのは久しぶりだよ。仄かにゼロ年代ジュブナイルのかほりを感じたけど、こっちはあくまで青春小説。リアルな中高生の心情を表現した作品ではあるけど、ゼロ年代ジュブナイル特有の倦みとかはなかったかな。なので結構さっぱり。読後感爽やかよ。

内容としては「私と仲良くしないでください」なんてインパクトある自己紹介した緋紗子さんに主人公由宇が惹かれていって。関わっていく内に緋紗子さんの秘密を次々知っていくというもの。憧れから始まった友情百合ですな。由宇自身の性格や家庭の問題も織り交ぜつつ、緋紗子さんと親交を重ねていく。そして最後には、緋紗子さんと出会う前と比べて少し成長した由宇が。緋紗子さんに本音をぶつける。

おっちゃんね。少年少女の成長物語大好きだからね。しかもこれストーリーラインとんでもなく綺麗な友情百合だからね。話の綺麗さなら薄墨桜と同じレベルだよ。ラストの告白シーンとか最高すぎて悶ちゃったし、エピローグも希望のある未来って感じで最高。今の季節に読むのにぴったりだよ。

物語を牽引するキーとなる緋紗子さんの体質。「幸せになると石になる」ってあれね。緋紗子さんの心情顕著に表してるし、もう読んでる途中緋紗子さんが石になる=由宇と一緒に居て嬉しいんだなぁって分かってにっこりしちゃうね。どんなにつっけんどんな態度取ってても、心裡では最初から由宇に対する好感度高いんだよなぁ。

修一もさり気ない気遣いが出来るいい男だし。薫ちゃんも僕的にはリアルな女子高生って感じで好きなんっすわ。根は悪くないんだなぁってのが分かっちゃう。

青春は尊いし高校生の一瞬が如何にかけがえのないものだったか思い出させてくれるよな……。郷愁に浸っちゃうわこんなん。

最後の秘密とかもね、卑怯だよね。緋紗子さん割と由宇に一目惚れじゃね? って。エピローグ読んでやっとプロローグのシーン分かるしね。表紙とかもクライマックスシーンっすよこれ。

はぁ~最高~~~……マジ無理。


満足度:★★★★☆
久々に良い読書しましたわ。ぶっちゃけ★5でもいいかなとも思うんだけど……う~ん★4.5!!!

「最後にして最初のアイドル」、感想。

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あらすじ
“バイバイ、地球―ここでアイドル活動できて楽しかったよ。”SFコンテスト史上初の特別賞&42年ぶりにデビュー作で星雲賞を受賞した実存主義的ワイドスクリーン百合バロックプロレタリアートアイドルハードSFの表題作をはじめ、ガチャが得意なフレンズたちが宇宙創世の真理へ驀進する「エヴォリューションがーるず」、書き下ろしの声優スペースオペラ「暗黒声優」の3篇を収録する、驚天動地の草野原々1st作品集!

色々と鳴り物入りで登場した今作。新進気鋭の作者の経歴は、SF界と文壇両方に旋風を巻き起こした。ラブライブのにこまき同人誌を原案にした作品が小説家デビューに繋がるというだけでも驚きだが、それで星雲賞まで掻っ攫うんだから大したものだ。話題性という意味では正しく一等星。

一応作者的には百合にカテゴライズされる作品群らしいので、まぁ読まない訳にはいかんわな。

という訳で読んでみた訳なのだが。予想以上にSF的要素のアクが強い。というか癖が強い。此方の理解をねじ伏せるかの如き情報量の多さだ。正直読んでて疲れてくる。でも何故だろう。あまり意味を理解してなさそうなのに読めてしまう。これもパロネタの親しみやすさ故だろうか。

一作目の表題作は周知の通りにこまき同人誌が元ネタ。スケールがでかくなるにつれてアイドルとはなんだろうと考えさせる内容だ。捕食も虐殺もアイドルだけど、やっぱり最後はファンあってのアイドルだよね! ってとこに帰納するあたり質が悪い。

二作目はけもフレ+ソシャゲを題材にした作品。ソシャゲに宇宙が支配されたディストピアを、まどまぎ的スケールで救う叛逆の物語。けもフレ要素。実はそんなに濃くないのでは……?
話の落とし所としては一番好きというか。納得出来るオチだった。巡り巡った世界で、二人は再び引き寄せられる。道中の絵面がグロテスクなのに最後だけ綺麗。これは魂の百合ですわ。

三作目。声優という記号を用いたスペースオペラ。宇宙航海モノっていうのかな。この話も充分ぶっとんでる筈なんだけど、他と比べて随分マイルドに感じられた。声優核融合爆弾とか声優カラテとか字面だけで面白い。ズルい。サチアカはいいぞ。

ということで。総評としてはこじらせすぎた悪いオタクですわこれ。悪いオタクに知識と才能与えるとこうなるんだなぁ~という典型。どれもそれなりに面白いから厄介だ。


満足度:★★★☆☆

「魔女の旅々」、感想。

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あらすじ
あるところに旅の魔女がいました。彼女の名はイレイナ。
旅人として、色々な国や人と出逢いながら、長い長い旅を続けています。
魔法使いしか受け入れない国、筋肉が大好きな巨漢、死の淵で恋人の帰りを待つ青年、
滅んでしまった国に独り取り残された王女、そして魔女自身のこれまでとこれからのこと。
わけのわからない可笑しな人や、誰かの美しい日常に触れながら、
今日も今日とて魔女は出逢いと別れの物語を紡いでいきます。
「構わないでください。私、旅人なものですから。先を急がなければならないのです」
魔女。――そう、私です。


リリエールの時から気になっていた魔女の旅々をやっと読了。イナイレさんのキャラ自体が気になった、というのもありますけど。某スレで百合ノベルとして名前が上がってたので、僕としては一読しない訳にはいかないんっすわ。

まぁ内容としては。よくある旅モノというか。短い話が幾つも重なったあっさりめの話でしたね。キノ程訓示的だったり寓話的な要素は強くなく、お手軽な観光気分で読めます。偶に後味がすっきりしない話もあったりしますけど、基本的には爽やかな話が多かったです。一話一話の頁数も少ないですし、空き時間とかちょっと暇な時に読むと丁度いい感じかな。

百合的な観点から見ると、一話目の「魔法使いの国」は中々。でもイナイレさんは結局旅立ってしまうんで、一つのキャラとそこまで密接に関われないんですよねぇ。あと文章自体も結構淡々としたものなんで、感情の動きとかで悶えることはそんなないかな。

全体的にユニークな話は多かったですし、充分面白かったんですけど。なんというか、可もなく不可もなく。徐々に百合度が増していくっていう噂は聞いてるので、気にはなるんですが……今は続き読むかどうか保留ですね。


満足度:★★★☆☆

「機巧少女は傷つかない16下 Facing "Machine doll II" 」、感想。

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あらすじ
機巧魔術――それは魔術回路を内蔵する自動人形と、人形使いにより用いられる魔術。神性機巧、誕生。定められた必然のごとく、予見通りに事はなされた。人類は《次の人類》を創造した……が、それは天地開闢以来、最強最悪の脅威となった。人智を超えた存在に対し、人に過ぎない魔術師たちには抗う術がない。しかし、《彼》はあきらめない。天体壊滅を食い止めるべく、《愚者》たる者の叡智が光る! 長き旅路の果て、数多の試練のその先に、少年が見出した解答――雷真が、シャルが、ロキが、最後に見つけた答えとは? シンフォニック学園バトルアクション、完結。

上巻読んで直ぐ下巻に移ったはずなのに、何故か読み終わるのに時間が掛かった。
ということで下巻。ほんとの最終巻です。

前巻で遂に誕生した神性機巧。次の“ニンゲン”と目される存在を奪う雷真の秘策__それは、彼女の中にある“夜々”を手繰り寄せること。

方法としては想像通り……というかそれしかないだろって感じですね。神性機巧を作るにあたり吸収された魂。その中には勿論夜々のものもあるわけで……。「俺の嫁」発言で揺さぶりをかけ、神性機巧の中の夜々を抜き出す。バンドールから神性機巧(ニンゲン)、そして本物の人間へ。

生命の神秘、人間の蘇生、人形から人間へ。そんな壮大で尊大な探求の答えは、結局のところ人が育む愛情なんやなって……(しみじみ)。

9年間の集大成として。それぞれのキャラクターが成長を遂げ、そして各々の道を歩んでいく。人間となった夜々と共に、雷真はこの世界の枢軸として。中立の立場を貫いていくでしょう。

そんな彼らの門出を、僕はここで見送りたいと思います。彼らと歩んできた9年間は、僕の人生の一部でしょう。でもこれから先の人生は、誰も知らない……自分だけの道だから。

あ、余談ですが仕事辞めました。つまり今はニートです。やったぜ(?)。


満足度:★★★☆☆
終わり方としてはこれ以上ない……というか。これ以上語ることのないエンドでしたね……。これだけ追いかけてると最早内容の善し悪しよりも年月に依る感慨深さが勝る。

「機巧少女は傷つかない16上 Facing "Machine doll II"」、感想。

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あらすじ
機巧魔術――それは魔術回路を内蔵する自動人形と、人形使いにより用いられる魔術。19世紀最強の男エドワード・ラザフォードは斃れ、狂王エドマンドは《天の玉座》にて神性機巧降誕の時を待つ! 機巧都市が瘴気に沈み、異形の怪物が徘徊する中、ついに天全との決戦に臨む雷真。しかし、突きつけられた《真実》は重く、もっとも過酷な決断を少年に強いる。赤羽一門滅亡の夜、あの場で何が起こったか。誰が謀り、誰が祈ったのか。遠い日の約束は果たされた。その代償は、「決して引き換えにしてはいけないもの」。シンフォニック学園バトルアクション!

9年前から追っていた機巧少女シリーズも遂に完結です。新巻出る度に前巻読んだのが一年以上前とかざらだったので、結構内容抜けた状態で読んでるんですが。流石に物語も佳境ですからね。大方のあらすじは覚えてますよ。

ということで最終巻の上にあたる今巻ですが。ここにきてやっと夜会の決着。天全との決着を着けます。とはいっても、最早夜会なんてやってる場合じゃないですし。夜会の決勝戦というよりも真実を聞き出す為の戦いって感じでしたけどね。今や復讐の為でないですし。なんだかここまで来るのに紆余曲折。随分遠回りした気もしますが……その分雷真もめっちゃ強くなりましたね。

今巻一番の見所としては雷真の夜々に対する想い。相棒としてどれだけ頼ってきたかを実感し、またその喪失に項垂れるシーンですかね。どんな状態だろうと常に諦めなかった雷真が、ここまで消沈するってのは痛々しいっすわ。

内容としては天全の真の目的を聞き出し、夜々と天にいの命と引き換えに撫子を生き返らせる。敵対するは英国師団と土門の婆様とエドマンド&神性機巧。

次回、雷真が賭ける神性機巧を奪い取る秘策とは__? というところで下巻に続きます。上下巻だけあってページ数は抑えめですね。


満足度:★★★☆☆
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感想は主にラノベが中心。ライトノベルとは本格的に読み始めて10年の付き合い。初めて読んだのは13年前くらい。好きなジャンルは百合とゼロ年代だけど、面白そうなら何でも読む。基本文を書くのも妄想するのも何かを作ることも好きなので、自分で小説とかも書いてたりする。

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