「終物語 下」、感想。

終物語 (下) (講談社BOX)終物語 (下) (講談社BOX)
(2014/04/02)
西尾 維新、VOFAN 他

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あらすじ

“それがきみの――青春の終わりだ。”大学受験当日の朝、北白蛇神社へ向かった阿良々木暦。彼を待ち受けていたのは、予期せぬ笑顔と、最終決戦の号砲だった――すべての<物語>はいまここに収束する……!


阿良々木暦という存在と、彼の青春の物語。ついに決着!

ということで化物語シリーズファイナルシーズン最終巻です。いや~、あとがきで言われて気付きましたが。このシリーズ初出から10年も経ってるんですね。10年前って言ったら僕なんてまだ小学生だしヘタすると小説よりも漫画の方が読んでたかもしれません。

今巻の冒頭は、時系列的には上巻の続き。阿良々木くんが三昧に卸され……ではなく輪切りされた直後からです。もうね、初っ端から地獄ですよ。最終巻だけあってトバしてますね。まぁ、トバされて上に昇らず落ちた結果の地獄なんですが。
さてさて。そんな地獄から始まる最終巻。ハチクジィ!と地獄を回り、過去を回顧し、ガハラさんとデートし__そしていよいよ扇ちゃんとの対決です。

扇ちゃん。彼女をなんとかしなければ、彼の青春は終えられない。なぜなら彼女こそが、彼にとっての青春の象徴だから。いやぁ~しかし。扇ちゃんをいざ倒すとなってからの話の運びは面白いですね。スムーズで引き寄せられる情報の見せ方しますよ。やっと明かされた扇ちゃんの正体も、扇ちゃんの倒し方も、決着の付け方も面白い。

正体不明であった敵の正体が、実は自分自身。自分の影。自分が生み出した存在だったと。ありきたりな話の筈なのに、なぜか予想する事が出来ませんでした(扇ちゃんのミスリードのせいもあるけど)。だからこそ、面白い。使い古された手法も、見せ方次第ですね。

扇ちゃんの決着。つまりは阿良々木くんの青春の結末もまた面白いものでした。予想外であはあるけど、しっくりくる。ある意味では彼らしくないけど、この一年での彼の成長があったからこその行動なのかな、と。自分を捨てて他人を助けてきた阿良々木君が、最後は身を挺して、自分を拾って自分を助ける。間違いだらけの青春だったかもしれないけれど。それを正すことが、必ずも最良とは限らない。近視的なモノの見方しか出来ない故に得られたハッピーエンドだと思います。後最後の忍野の登場にも心躍りました。ここで初期からある忍野の科白「人は勝手に助かるだけ」に繋がるわけですね。台詞の通り。阿良々木君は、誰に助けられるでもなく、自分勝手に自分を助けた訳ですから。


これでめっちゃ綺麗に終わったわけですけど。なんだかんだでまだ一冊残ってるんですよね。後一冊。一体何を書くのか。楽しみです。

前回ははよ終われとは言ってのに、いざ本当の終わりが見えてくると寂しいもんです。この巻が面白かっただけに。いや、ほんと。よく綺麗に締めたなと思いますよ。色々とこじつけがましい所も多いですけど。西尾は話の運び方が上手いんで、多少の引っ掛かりもスルー出来てしまうんです。




満足度:★★★★☆

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感想は主にラノベが中心。ライトノベルとは本格的に読み始めて9年の付き合い。初めて読んだのは12年前くらい。好きなジャンルは百合とゼロ年代だけど、面白そうなら何でも読む。基本文を書くのも妄想するのも何かを作ることも好きなので、自分で小説とかも書いてたりする。

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