「世界の終わり、素晴らしき日々より 3」、感想。

1巻→「世界の終わり、素晴らしき日々より」、感想。
2巻→「世界の終わり、素晴らしき日々より 2」、感想。

世界の終わり、素晴らしき日々より (3) (電撃文庫)世界の終わり、素晴らしき日々より (3) (電撃文庫)
(2013/06/07)
一二三スイ

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あらすじ
突如、人類のほとんどが消えた“終わってしまった世界”。そんな世界を古いトラックに乗って旅するチィとコウ。敵対する近隣国『高国』の皇子で、コウの幼馴染みだった“彼”の足跡を追い、未だ争いが続く北海道を目指す2人。しかし、北上すればするほど戦火は激しさを増していくのだった…。「一緒にいきたい」。そう誓った2人の目に映るものは―壊れかけの家族、兵士からのプロポーズ、バリケード、遺書、再会、一発の銃声…。別れのときはすぐ目の前に近づいていた。そしていくつもの季節が巡り、素晴らしきこの世界は―。

二人が巡る、終わりの世界。ここに完結。

最初はタイトルと表紙に惹かれ、読んだ後は文章と世界観に魅せられたこの物語。三巻と少なく感じるんですが、それでも十分上手くまとまっておりました。なんだか、すごく長い間を一緒に旅していたような、重厚な感慨深さがあります。残りのページ数が少なくなっていき、物語の終わりが見え始めた頃から。なんだかこみ上げるものがあって泣きそうになってしまいました。

この物語。特に起伏が激しいタイプでもドキドキするような話でもないし。読んでる途中は退屈に思う事もあるけど。読み終わってしまうと兎に角悲しくてしょうがないんですよね。なんなんでしょうこの気持は。日常系アニメの最終回を迎えた時のような気持ちです。今迄そこにあって、自分を支えてきてくれた当然のもの。それが突然なくなって。なくなってから、大切さに気付く。探したくてももう探せない。戻ってこない時間。
やはりこの作品は、そういう意味で最高の日常作品でした。日常の大切さを教えてくれる良い作品です。

細部に目を当てますと。王子が死んでしまうところなんかは、ちょっとあっさり気味に感じて「あぁ、尺が足りなかったのかな」なんて思ったんですが。後から出てきた手紙の所で哀しみが押し寄せてきましたね。コウが王子に抱いていた想いと、王子がコウに抱いていた想い。互いの想いが、やっと交差して結ばれたんだな、って。

十年後のコウ達の話も凄い好きでした。成長したチィとコウ。それでも、二人の関係は変わらない。

最後に。総評として。僕はこの作品を、若干の百合的雰囲気を感じながら読み進めてきました。二巻でその雲行きは怪しくなり、三巻ではそもそもコウの初恋の相手を探す話だし、チィは異性と結婚しようとするしコウは気になる異性はいるしで……全然百合じゃないんじゃないかと。

でもさ、それでも二人の関係が美しく尊い事に変わりはないんだよ。例え百合じゃなかったとしても。そんなの些細な事じゃないか。初恋の人で、大切な人。二人は恋人なんかよりも、もっと特別な関係なのだと思う。

二人で十年後再開した時、一緒に旅に出る程に。

この作品には某作品よりこの言葉を送る。「全てを捨てて旅に出ないか?」

彼女たちならば、笑顔でこの言葉に「もちろん」と頷いてくれるだろう。

以上。世界の終わり、素晴らしき日々より




満足度:★★★★★
読後感が素晴らしい。暫くは余韻に浸ってしまう。何気に満足度平均が一番高いシリーズではないだろうか?点数だけで言ったらイリヤと同等かそれ以上だぞ……。

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Author:東 京人
感想は主にラノベが中心。ライトノベルとは本格的に読み始めて9年の付き合い。初めて読んだのは12年前くらい。好きなジャンルは百合とゼロ年代だけど、面白そうなら何でも読む。基本文を書くのも妄想するのも何かを作ることも好きなので、自分で小説とかも書いてたりする。

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