「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」、感想。

お前は本なんか読んでる場合じゃないだろと言いたくなるほどプライベートが忙しい僕ですが、そんな忙しい日常の合間をぬって「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」を読み終わったので感想でも。

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない (富士見ミステリー文庫)砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない (富士見ミステリー文庫)
(2004/11)
桜庭 一樹

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まずは毎回恒例となっている(※恒例になってません)本の紹介でも。

「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」という本は2004年に富士見ミステリー文庫(今はないが…)より発売された桜庭一樹さんによる青春小説。最近の作品ではGOSICKなどで有名な桜庭一樹さんの書いたこの小説は富士見ミステリー文庫から発売の後、2007年2月に富士見書房より、2009年2月に角川文庫より発売されるという特殊な経緯を持っています

可愛らしいイラストが表紙の富士見ミステリー版砂糖菓子は今では中々見かける事はなく手に入れるのは困難だと思います(実際僕自身も買ったのは角川文庫版)。

そんな特殊な経緯を持ち、長きに渡ってたくさんの人々に支持されるこの作品について語っていこうと思います。

まず僕がこの作品に惹かれた部分はタイトルです。「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」なんて変わったタイトル一度聞いたら中々忘れられないし本屋で棚に置いてあったら確実に目が行ってしまいます。それぐらい僕には衝撃的なタイトルでした。正直ブログタイトルに起用しようかと思った程です。それぐらい僕にとっては魅力的でありそれだけで読むに値すると思わせるセンスがありました。

あらすじ
山田なぎさは片田舎に住む、「早く大人になりたい」と願う女子中学生。彼女の通う中学に、自分のことを人魚と言い張る少女、海野藻屑が東京から転校してくる。藻屑に振り回されるなぎさだが、藻屑の秘密に触れていくにつれ親交を深めていく。しかし、そんな二人に別れの時が迫っていた。

この話は既に悲惨な結末が提示された上で物語は進んでいく。なんと最初から主人公である「山田なぎさ」の友人「海野藻屑」がバラバラ遺体となって発見されるという結末が記されているのである。では、その犯人を見つける推理モノなのか?と言われると答えはノーだ。この話は最初に書いたとおり「青春小説」である。あくまでメインは年端も行かぬ少年、少女達の心情と葛藤といった悩みを描いたものとなる。だから決して犯人を突き止めてめでたしめでたし、という話ではない。寧ろ暗い話だと断言できるだろう。一言で言えば13歳、中2というデリケートで危うさを感じる年頃の少女が体験したどこにでもありふれた、でも決して忘れてはいけない殺人事件の記録である。

これは「実弾(この話の中でいうところのお金や意味のある事)」以外はどうでもいいという「実弾主義」を持つ少し冷めた少女「なぎさ」と「砂糖菓子の弾丸(嘘で固められた甘ったるく意味のない事)」をぶちまける自分を人魚だという変わり者の少女「藻屑」の悲痛な叫びを表した作品である。

『砂糖菓子でできた弾丸(ロリポップ)では子供は世界と戦えない』


満足度:★★★★★
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感想は主にラノベが中心。ライトノベルとは本格的に読み始めて9年の付き合い。初めて読んだのは12年前くらい。好きなジャンルは百合とゼロ年代だけど、面白そうなら何でも読む。基本文を書くのも妄想するのも何かを作ることも好きなので、自分で小説とかも書いてたりする。

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