「チルドレン」、感想。

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あらすじ
「俺たちは奇跡を起こすんだ」独自の正義感を持ち、いつも周囲を自分のペースに引き込むが、なぜか憎めない男、陣内。彼を中心にして起こる不思議な事件の数々―。何気ない日常に起こった五つの物語が、一つになったとき、予想もしない奇跡が降り注ぐ。ちょっとファニーで、心温まる連作短編の傑作。

久々にラノベ以外の小説読みました(ラノベ自体も最近はあんま読んでないけど)。ということで、今回はミステリー小説では結構な有名所である伊坂幸太郎氏の作品。舞台が僕の地元仙台ということで、前々からちょっと気になってはいたんっすよね。

そもそも僕は、ミステリーモノ自体あまり好んで読まないのだが。この作品は別にミステリーだからと気構えなくても充分楽しめるものだった。

今作は『陣内』という男を軸に、そのキャラクターがどんな人間か? を魅せつつ。彼に関わった人間の事件や日常が描かれている。第一話の「バンク」では、陣内以外でも永瀬や鴨居といったメインキャラクターを登場させ。陣内の破天荒で我儘だが、物事をいい意味でも悪い意味でもぶち破ってしまう性質。そして永瀬の聡明さを鴨居というどこまでも普通の一般人視点で描いている。バンクのトリック自体には驚いたものだが、やはりそれすら陣内のついでで。三十万円銀行から盗んでしまうという予想外の行動に霞んでしまう。

そして第二話の「チルドレン」。今作の表題作である。この話は武藤という陣内の後輩視点で描かれるのだが、なんといきなり十二年後の話なのだ。しかも陣内が家裁になっていて、有能だというのだから驚かされる。この話では更に、陣内さんが親父について吹っ切れているという事実も出てくる。

続く「レトリーバー」は永瀬の彼女、優子視点である。ここで語られるのも、陣内という人間の豪胆さだ。そしてその次のエピソードである「チルドレンⅡ」で時期は再び現代(?)。チルドレンから一年後へと繋がる。僕的にはこの話が一番好きだ。この話に限っては陣内がどうこう関係なく、親の愛情の発露や。情けないとこを見せて失望させてしまった息子への、父親なりの意地の張り方。カッコつけ方とか。そういうのを感じた。まさに父親がカッコイイ話だ。

そしてラスト、「イン」。時はバンクから一年後まで遡り。ここでやっと陣内が父親のことについて吹っ切れたシーン。その詳細が語られる。なにげに最初から出ていた謎で、全体として「親」というものがテーマになってる気もするので。ミステリーという意味ならこの事実こそが物語を牽引してきた最大の謎である。まぁ、その謎解きの真実は。ややこしいものでもなんでもなく。陣内なりの暴力的な解決法なのだが。

はい、という訳でチルドレンの感想でした。一般小説ということでなんか感想も硬い感じになりましたね。陣内が出て来る話がまだまだ読んでいたいよ~。

伊坂くんの小説。他にも読んでみるか悩みますね。正直充分面白かったんですけど。一応ラノベブログなんで年内中に何かしらラノベ読まねばと……。


満足度:★★★☆☆
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Author:東 京人
感想は主にラノベが中心。ライトノベルとは本格的に読み始めて9年の付き合い。初めて読んだのは12年前くらい。好きなジャンルは百合とゼロ年代だけど、面白そうなら何でも読む。基本文を書くのも妄想するのも何かを作ることも好きなので、自分で小説とかも書いてたりする。

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