「空ろの箱と零のマリア7」、感想。

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あらすじ
マリア。僕は君を、二度と離さない――。

「さあ、最後の対決だ。星野一輝くん」
“O”は手を広げる。一輝をはっきりと見据え、その美しくも醜悪な顔を歪める。
「出来損ないの世界で幸せに過ごすといい」
 星野一輝の無謀で孤独な闘いは続く。
“ゼロのマリア”を取り戻すために。
“O”が創り上げたこの世界は、あの時の“箱”と同じだ。3月2日という中途半端な時期に来た転校生から始まった“繰り返し”を司る箱。
――マリア。僕は、箱に囚われた君を必ず取り戻す。
そして、結末がやってくる……。


もう最終巻出ないんじゃね?と思ってたら出ました。この作者終わらせる気ないだろなんて思ってたのに出て逆にびっくりだよ。正直6巻の内容とか全然覚えてなかった。だって読んだのもう二年と五ヶ月前だよ?覚えてる訳ねぇ。まぁ、でもそれはいつも通り。読んでる内に思い出せたからいいんだけどね。

ってことで本編の感想。今巻では1巻の内容を彷彿とさせるループモノです。ただし、1巻の時以上に過酷で、魂を擦り切らせるもの。幸福な嘘で固められた世界から抜け出すために、一輝はその幸福を徹底的に破壊し続けます。自分が幸福を感じるものを全て消し、自分から不幸へと突き進んでいき。最後は人間としての機能を無くしてまで“ゼロのマリア”を求める。

あらゆるものを犠牲にしてでも、最愛の人の願いを壊してでも。その人の幸福を求める。一輝のその一貫したスタンスが此方の心情を揺さぶりカタルシスをもたらしますね。今巻は一輝の絶望と渇望が心に染み込む話でした。

親友も好きだった人も犠牲にして、更にループの世界で己と他人を殺し尽くし。罪悪感に押しつぶされても。それでも、掴みたいものは唯一つ。彼女の手だけ。

一輝のブレなさとか一途さに心打たれる話でした。どんどん狂っていって、最終的に壊れて。人間と言えるものじゃなくなっても。目的だけは失わなかった。

“音無彩矢”という化物の幻影に惑わされ続けたマリアが、その憧憬から解放され。空ろの箱から始まった物語がゼロのマリアに回帰する__。

此方の感情を幾度も揺さぶってくるこの手法は、話の作り方として優秀な例だと思います。

という訳で最終巻でした。御影さん。六年間お疲れ様でした。これから一般の方に移るとのことですが。機会があったら手にとってみようと思います。


満足度:★★★★☆
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Author:東 京人
感想は主にラノベが中心。ライトノベルとは本格的に読み始めて9年の付き合い。初めて読んだのは12年前くらい。好きなジャンルは百合とゼロ年代だけど、面白そうなら何でも読む。基本文を書くのも妄想するのも何かを作ることも好きなので、自分で小説とかも書いてたりする。

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