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「ソーネチカ」、感想。

ソーネチカ (新潮クレスト・ブックス)ソーネチカ (新潮クレスト・ブックス)
(2002/12)
リュドミラ ウリツカヤ

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あらすじ
本の虫で容貌のぱっとしないソーネチカは、1930年代にフランスから帰国した反体制的な芸術家ロベルトに見初められ、結婚する。当局の監視の下で流刑地を移動しながら、貧しくも幸せな生活を送る夫婦。一人娘が大きくなり、ヤーシャという美少女と友達になって家に連れてくる。やがて最愛の夫の秘密を知ったソーネチカは…。神の恩寵に包まれた女性の、静謐な一生。幸福な感動をのこす愛の物語。

文学小説は、基本的に日本文学を中心に読んでいるのだが。偶には趣向を変えてロシア文学でもと思い手にとった作品。ロシア文学の性質については多少知っているとはいえ、ぼんやりとしたイメージしかないのでどんなものかと読み始めたのだが。結果的にいえばかなり僕の好みに合致する作品となった。ロシア文学が僕の趣向に合致したというよりは、この作者さんの作品があってたのかなと個人的に思う。

この作品の事前知識は、凡庸で本の虫である主人公が幸せに生きた作品程度のものしかなかったが。内容は予想を裏切り期待を越えるモノとなっていた。この物語はストレートにソーネチカという人物の人生をそのまま本にしたような内容だ。人によっては退屈に思えるモノかもしれないが、中々に激動のモノだったと個人的に思う。

ロシア文学は時代背景に人生を左右されるものという印象が強いが。個人的に僕がこの作品でソーネチカの人生を揺るがしているのは時代背景などではなく。ソーネチカが関わる人物にあると思う。夫であるロベルト。娘のターニャ。そしてヤーシャ。簡潔にいってしまえば、夫の浮気(しかも浮気相手が養子にとったヤーシャ)と死別がソーネチカの人生に於ける大きな不幸といえるのだが。その二つを経てもソーネチカが自身が幸せだといえるところ。夫を最後まで愛し続けるところが哀しくも特異な部分といえるのだ。自分以外の人物が皆成功しそれぞれの幸せを得ていくのもソーネチカと対照的で、よりソーネチカの悲哀さを際立たせる。

そんな特異な性質をもつソーネチカだが。この物語で一番面白く話を盛り上げてるのはターニャとヤーシャの関係ではないかと思う。肉体的ではなく精神的な面でヤーシャを好きになるターニャ。しかしヤーシャには暗い過去があり、現在も暗い関係を続けている。二人の関係は不思議なモノであると思う。一言で言い表せない関係というか。ヤーシャも最終的にはロベルトとくっついてしまうし……。非常に興味深く研究しがいのある心裡だと個人的に思う。


最後にこの話はソーネチカを主人公にした話だと言われてるが。正確にはソーネチカを軸にした群像劇ではないかと思う。ソーネチカというキャラと同じかそれ以上に他のキャラも描かれていることからそう判断できる。個人的にはヤーシャが一番好きですかね。孤児院での過去を経ても強く生きている様は惹かれるモノがある。



とまぁ長々と語った訳だけどね。
文学小説に百合を見いだせて気分は最高!!って訳。
斜陽でも「おうふwwww母娘百合ですぞwww」とかテンション上がってたしね。思わぬ僥倖。

ヤーシャちゃん×ターニャちゃんの薄い本が読みたいです。本編ではレズセックスしなかったからね。


満足度:★★★★☆
個人的に暗い雰囲気の百合で桜庭的アトモスフィアを嗅ぎ取りました。
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Author:東 京人
感想は主にラノベが中心。ライトノベルとは本格的に読み始めて9年の付き合い。初めて読んだのは12年前くらい。好きなジャンルは百合とゼロ年代だけど、面白そうなら何でも読む。基本文を書くのも妄想するのも何かを作ることも好きなので、自分で小説とかも書いてたりする。

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