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「百合エルフと呪われた姫」、感想。

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あらすじ
一緒ならどこでも幸せ―― 手を取り合って始まる百合冒険!

排他的なエルフの里で、ハーフエルフというだけで
誰からも認めてもらえなかった少女レムは、
故郷を出て行く一大決心の元、人間の町まで飛び出してきた。
そこでレムは、呪いによって同じ王族からも疎まれる王女アルフェレスと出会う。
王女のとある失敗により、いきなりエッチな関係を結ぶことになる二人だが、
そんな衝撃的な出来事もあってか、たちまち心の距離は縮まっていく。
里を飛び出してもエルフということで人間からも差別されたレムは、
エルフであることを気にせずに接してくれるアルフェレスに
友情以上の想いを抱き始め、姫を救うため一緒に呪いを解く旅に出ることに。
二人三脚の冒険の中で、心とカラダの関係も深めていく少女たちは、
お互いの肌の暖かさに自分の居場所を見出していく……。


ジュブナイルポルノを読んだのは百合ラブ以来な気がします。百合ラブスレイブの2が出るってことで久々に……というのは関係なく。他レビュアーさんの感想とかで「エロ抜きに話がしっかりしてる」だとか、「ラストの尊さは百合小説の中でも1,2位を争う」っていうのを目にしたからです。そこまで言われたら読まない訳にいかないでしょ。

まぁそれに、あらすじも純粋に面白そうですしね。
実際面白かったかと問われると、よく出来てはいたかなと。
ジュブナイルポルノという性質上、「いかにエロシーンを自然に挿入するか」とか、「いかにエロい土台(世界観や設定)で進めるか」ってのが重要になってくると思うんだけど、この話では内容的にともすればエロシーンいらないのでは? と思ってしまう。
それは悪い意味ではなく、エロ抜きに話がまとまってるからだ。
出生の秘密も相俟って、ヒロイン二人は故郷から疎まれています。弾かれ者です。そんな二人だからこそ惹かれ合い、共に心の隙間を埋め、ずっと居たいと願うのです。
そういった心情推移が丁寧で、友人とか姉妹的な感情という過程を飛ばしていないので、エロシーンが映えるのだと思います。

最後はネタバレになっちゃうんですけど、各地でゲリラ的に結婚式をし、「違う種族同士でも仲良くできるんだぞー!」ということを見せつけるという、数多の百合作品の中でも滅多にお目にかかれない尊いエンドを迎えます。

この物語のテーマは“種族間の偏見(対立)”だと思うんですが、それに対する答えとして、百合的にもこれ以上ない正解でしょ。このエンドだけで読む価値ありますわ。

だからこそ、単巻で終わってしまうには惜しいなとも思います。下地の設定もそうですし、せっかくのふたり旅ですからもうちょっと続いてほしかったなぁと。

あとね、上記でも一回触れたけど、物語としての完成度が高い分“エロ”が邪魔になっちゃうんだよねぇ。ジュブナイルポルノなんでこの作品も例に漏れずえっちシーン多めなんだけどさ、そこを少しでも肉体的でなく精神的な触れ合いにも割いてほしかったかなって……。

僕も男だし、百合好きだからさ。女の子同士のエッチシーン大好きだよ。でもさ、ずっと読んでると胃もたれするっていうか……飽きがくるんだよね。だからさ、ジュブナイルポルノとはいえエッチシーンをそこまで執拗に入れる必要じゃないんじゃないかなって最近思っちゃう。特に百合モノはさ、他のジャンル以上にキャラ同士の心情推移とか心の交流が大事だからさ、それをエロだけで乗り越えるのはキツいんよねぇ。ジュブナイルポルノって、正直“エロさ”と“面白さ”を同居させなきゃいけないから、普通の小説より難しいと思うの。

面白くて尊い百合モノを読みたいけど同時にエロも摂取したい!
まぁこれは僕の我儘というか……所感でしかないです、はい。


満足度:★★★★☆
僕的にはもうちょっとエロよりストーリー重視の百合ジュブナイルポルノ増えてほしいんっすわ。
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「カーテンコールが鳴る前に。 school girl babyish」、感想。

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あらすじ
「――青春って、いいよね」 4人の少女たちによる演劇×青春、開演!

セイシュンってなんだろう?
華のJK、野々野ノノ。周りのみんなはキラキラしているのに、あたしなにやってるんだろうってもやーっと考えている。
このままじゃだめだ! 青春を取り戻さないとと一念発起し、なんとなく楽しそうな演劇部の公開オーディションを受けてみるも、あえなく落選。そんな中、うさんくさいオジサンに呼び集められたと思ったら……、「役者やらないか」だって!? あたしたち落選組の学園祭ステージへの奮闘が始まる!
これは、スタートラインについてもない少女たちの、一瞬の、青春の、一ページ。


百合的なアトモスフィアを嗅ぎ取って、しにバラぶりにハセガワくんの本です。まぁ、いうて僕しにバラも2巻までしか読んでないんですけどね。

で、感想。あらすじからも分かる通り、今作のテーマは『青春』です。割とロック寄りな、青春ってなんだよー! と藻掻くような話でした。ゼロ年代ジュブナイルに近いものを感じる。各キャラが抱える問題も相まって、尚更そう感じるのかな。でも個人的に、文章が微妙に噛み合わなかった。歌詞みたいな文章で、人によってはテンポが良いという所感を抱くかもしれないけど、僕的には読みづらかったかな。

あとは純粋に、演劇という装置が僕にあまり刺さらなかった。演劇モノが嫌いな訳じゃないんだけど、どうしてもそこに主体を置くなら文章よりもアニメとかの方が映えるんだよねぇ。
他にも物語的に淡々としてるというか、盛り上がりがない。文体も合わせて、物語に没入し辛い。
ハセガワくんこんな文章書く人だっただろうかと思ってしまう。

と、ダメ出しばかりしてますが、勿論良かったところもあります。
ノノのキャラ造形は実によくできてた。リアルな人間関係の軋轢を抱えてる部分とかね。
エピソード的には逃げ込む場所がトイレってのも、高校時代の僕がまさにそれだったから共感できる。とても居心地がいい場所じゃないけど、一人きりになれる環境が欲しかったんですよね。そこがトイレしかなかったってだけなんすわ。

普通に生きていれば皆何かしらの生き辛さとか、挫折とかを味わいます。でも、ノノの吐露するトラウマ……周囲の空気に合わせられず、どっちつかずで孤立したって過去は、ともすればスルーされてしまいそうな些末なものなんですよね。
『青春』というテーマで、等身大の女子高生達がぶつかりあったからこそ表出したものなんじゃないかなって。そういう感情の機微を拾い上げられたから、ノノというキャラは確立したものになったんじゃないかなと。

まぁ総評としましては、いくら一巻目とはいえ訴求力が低いなぁというところです。百合をわずかとはいえ期待していたのもあって、惹かれる部分が少なかったんですよね。


満足度:★★☆☆☆

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しがない編集者。感想は主にラノベが中心。ライトノベルとは読み始めて11年の付き合い。好きなジャンルは百合とゼロ年代だけど、面白そうなら何でも読む。基本文を書くのも妄想するのも何かを作ることも好きなので、自分で小説とかも書いてたりする。

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