「百合ラブスレイブ わたしだけの委員長」、感想。

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あらすじ
委員長の怜那(れいな)が百合に興味を持っていると知った真桜(まお)。秘密を守る代わりに、興味本位で百合Hを体験してみるとその快感は衝撃的! 以降も嫌がる素振りを見せる怜那に関係を迫り身体を重ねると、遊びだったはずなのに、真桜の方が気持ちよさを忘れられなくて!

ジュブナイルポルノの百合小説はもう食傷気味だしいいかな~なんて思いながら。何故か購入。エロに特化するあまりキャラ性やそこから生じるシチュエーションを蔑ろにしてる部分もあるから、あんまり期待は出来ないのだが……。正直言うと、拙者鈴音れなさんの絵大好きなんでござる……。買ったの自体結構前なので、動機はもう忘れたけど。多分そんなとこでしょ。イラストで選ぶ。たまにはそんな俗な選定もいいものです。

で、感想。今作もジュブナイルポルノの例に漏れず。性行為をメインに置き、そこをフックに展開される物語であった。無論、そんなこと態々語るまでもないのだが。今作ではレズセックスの動機が純粋な興味という。今迄で最も根源的であり、シンプルすぎて逆に見落としてたところから始まる。

通常性行為とはそこに辿り着くまでに理由や動機が必要だ。この手の小説にとってその理由は「好きだから」という真っ当なものが殆どだ。たとえどんなに歪んで不純な感情が混じっても、それは恋愛感情だ。でもこの作品では性行為そのものが動機であり目的だ。まさにレイプから始まる物語。レイプファンタジーだ(違います)。レズセックスから始まる恋もある。そんなバカげた言葉だって、ジュブナイルポルノなら正当化出来る。やるじゃねぇか……二次ドリッ!

性行為への好奇心から流れるように脅迫。そしてご主人様と奴隷という背徳的な関係の構築。えっちな漫画のテンプレ的導入。でもここで恋愛に発展するのは割りと少数かな? 契約じみた関係って意味では「あまがみエメンタール」を彷彿とさせる。

最初は性欲ばかりが先行して、個人に対する興味とか。好意みたいなのとはかけ離れたものだったけど。体を重ねるごとに彼女を意識し、もっと互いに知っていきたいと思い。それが恋愛感情に発展する。通常ならありえないどころか頓珍漢な道筋だが、真桜と怜那が少しづつ打ち解けていく過程を丁寧に綴っていたので納得出来た。いっそいじらしいくらい丁寧だったよ。

ジュブナイルポルノとして「主従関係えっち」を描きながら、もう一つのテーマとして「身体的接触は心裡を韜晦させる効果があるか?」というのも盛り込まれてたと思う。怜那の本質。周りに望まれて強がってみせても、本当は内気で「他人に嫌われるのが怖い普通の少女」という部分。

愛美とのいざこざも含めて、「他人に嫌われたくない」という普遍的な感情を訴求出来てたと思う。僕個人としてはこのテーマだけで小説一本書ける。

最初はイラスト目当てに購入したような作品だったけど、回顧してみるとそこそこ楽しめた。永遠に二人でレズセックスしててくれって感じだ。


満足度:★★★☆☆
読んでる時は★2つで充分だろ~~~って思ってたのに読み終わったら60点ぐらいあげたくなっちゃった。
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「オーブランの少女」、感想。

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あらすじ
色鮮やかな花々の咲く、比類なく美しい庭園オーブラン。ある日、異様な風体の老婆に庭の女管理人が惨殺され、その妹も一ヶ月後に自ら命を絶つという痛ましい事件が起きる。殺人現場に居合わせた作家の“私”は、後日奇妙な縁から手に入れた管理人の妹の日記を繙くが、そこにはオーブランの恐るべき過去が綴られていた。―かつて重度の病や障害を持つ少女がオーブランの館に集められたこと。彼女たちが完全に外界から隔絶されていたこと。謎めいた規則に縛られていたこと。そしてある日を境に、何者かによって次々と殺されていったこと。なぜオーブランは少女を集めたのか。彼女たちはどこに行ったのか?楽園崩壊に隠された驚愕の真相を描いて、第七回ミステリーズ!新人賞佳作に入選した表題作ほか、“少女”にまつわる謎を描く全五篇を収める。

某スレで名前が上がってて気になったので購入。基本的に僕が買う百合小説の情報源ってほぼ全て某スレな気がするよ。

ってな訳で感想。一般小説で短編集って形式だと「リリィの籠」以来かな。といっても、今作では露骨に百合って感じの作品は表題作の「オーブランの少女」と「片想い」だけだったけどね。全体としてみるとあらすじ通り、少女にまつわるミステリー集ですわ。

「オーブランの少女」はどこかおどろおどろしく鬱屈とした雰囲気の作品だったけど、そんな中でもオーブランの庭の情景と少女たちの戦いの記録が鮮烈に残る作品だった。大雨とトマトはちょっとコメディチックなミステリーなお陰か。穏やかな気持ちで読めましたね。雨の日とかにサテンで読みたいタイプの話。

……って感想が全然浮かばねぇ! 記事更新自体一ヶ月ぶりくらいだし、着実に仕事に心を壊されていくのを感じる。感情を持っていたら生き残れない世界だからな。社会は厳しい。以上です。以上。終わり。


満足度:★★★☆☆
そこそこ面白かった筈なのに今の僕には響かないぜ。

「リリエールと祈りの国」、感想。

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あらすじ
壊れた国を救うため、リリエールは祈らない

「これ絶対に何かヤバい仕事じゃん」
マクミリアは、空腹で行き倒れたところを謎多き少女リリエールに助けられ、彼女の下で働くことに――
「最近ちょっと欲求不満なの。右手がうずくの。解呪やらせて?」
彼女は呪いともいえる厄介な祈りを解除する『戒祈屋』の主人だった。
賭博場を荒す灰の魔女、怪盗紳士、仮面少女、夢魔の偏愛、前王女の隠し子捜し。戒祈屋の助手として、マクミリアの奔走する日々が始まる!?
「緩やかに崩壊が進む国で、戒祈屋リリエールは今日も平常運転です!!」
ここは領域都市クラウスレイン。捧げられた祈りを成就する不思議な大聖堂の影響で滅びつつある国を、楽しくテキトーに支え続ける少女達の物語。


正直今作も百合目当てに読んだのだけど、百合要素としてはほぼ皆無に等しかった。主人公もヒロインも女性とはいえ、そこに恋愛的な感情もないし。唯一の百合要素といえば百合サキュバスの同性愛至上主義の国! の話くらいかな? 全体的にコメディタッチかつ淡々とヘンテコな事件を解決していく探偵モノ(?)みたいなノリだよ。

つまり百合的要素を期待して読むと肩透かしを食らうかも。でもそれを補って余るほど本作は面白かった。百合関係なく素直に面白いよこれ。久々に読んだあと「面白かったなー……」と感慨に浸れたもん。何かカタルシスのあるお話でもお腹の底から笑えるような話でもないんだけどさ。なんだか安心して読めるし、雰囲気に浸っていたくなるものがあるんだ。事件の解決法もあっと驚くようなものでもないのに、なんだかワクワクしちゃう。不思議な魅力のある作品なんだよねぇ。章を重ねるごとに世界観やキャラ同士の関係性が明かされていって、話が繋がっていくのもいいよね。

情報屋姉妹の話とか読みたいし、二巻が出たら買うと思う。特に夏や海がメインのお話でもないんだけど。晴れ渡る空のもと航海に出るような、爽やかな読後感のある物語でした。

同作者の「魔女の旅々」も読んでみようかな。イレイナさんの性悪冒険譚とか面白そう。


満足度:★★★★☆
★5に近い★4。

「十歳の最強魔導師 1」、感想。

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あらすじ
十歳の少女にとんでもない才能があった! 笑顔も魔力も最強の少女たちが送るほのぼの学園ストーリー。

十歳の少女フェリスは、魔石鉱山で働く奴隷。
毎日の仕事は過酷で、身なりも貧しかったが、決して笑顔を絶やさなかった。
あるとき、魔石鉱山が正体不明の魔術師たちに破壊され、フェリスは一人だけ生き残る。
逃げ出した先で出会ったのは、アリシアという名の美しいお嬢様。
怪しい連中に誘拐されそうになっていたアリシアを、フェリスは無我夢中で救出する。
その御礼にアリシアの屋敷に招待されたフェリスは、そこで魔法の才能を見出されて__。
笑顔も魔力も最強の十歳の少女が贈る、ほのぼの魔法学園ストーリー。


百合置いてけ! なぁ! おねロリだ!! おねロリだろう!? なぁ、おねロリだろお前!!

といった感じで妖怪百合置いてけおじさんと化してる僕が、この本を見逃す訳ないンすよ。

今作。タイトルとかあらすじ見る限りロリが俺TUEEEEE! するテンプレラノベだと思うじゃないっすか? それが違うんっすよ。この本はね。フェリスちゃんが只管無双するって感じの話じゃないんっすよ。確かにフェリスちゃん最強だし倒せない敵なんていないけどさ。一巻の本題はあくまで『学園生活』だからさ。奴隷として酷い扱いをされてきた少女が、人並みの幸せを掴む物語だからさ。そこに本来強大な力なんて必要ないんっすよ。だからさ、きちんと“能力の制御”っていう観点で友情・努力・勝利(成功)が綴られてる訳。

話としては何か胸躍るようなものでもない、淡々としたものなんだけどさ。「少女が当たり前の幸せに気付き、そしてそれを守る為に頑張る」っていう芯は描けてたから良かったかな。テーマとしては「誰よりも優しいあなたのために」に近い。

それに今作の見どころとしては、アリシアさんがフェリスを滅茶苦茶可愛がって甘えさせてる部分なんすよ……。四六時中フェリスちゃんにべったりなアリシアさんかわいい。恋愛的なあれじゃなく、姉妹とかペットに接するような微笑ましさがあるよね。癒やし……。


という訳で。物語としては特に波乱がある訳でもなく、思った以上に淡々と話が進む一種の日常モノじみた話だったんですが。優しさに満ちた心温まる話だったです。でも二巻から黒幕が絡んできてバトルメインな流れになりそうだね。僕はもう一巻で満足しちゃったよ……(というか黒幕の存在に興味がそそられない)。


満足度:★★★☆☆

「さよなら、サイキック 1.恋と重力のロンド」、感想。

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あらすじ
その能力(チカラ)は、戦うためのもの――?

幼少期に重力を操る能力に目覚めるも、怠惰で平凡な高校生に落ち着いた獅堂(しどう)ログ。ある冬の夜彼は、“最後の魔女"という運命を背負った少女・星降(ほしふり)ロンドと出会い惹かれ合う。

その年の夏。クラス一の美少女・木佐谷樹軍乃(きさやぎ ぐんの)に強引に誘われ、共に郊外へ向かったログは、「鉄塔に登った距離に比例してスカートの裾を持ち上げる権利」に釣られ、頂上の絶縁碍子(ぜつえんがいし)を目指すことに。はたして、軍乃の強引なアプローチの真意は……!?


表紙とあらすじに惹かれて購入。夏、超能力、ボーイミーツガーツ。最高に胸が高鳴るじゃないっすか。冒頭の文章もね、中々引き込まれるものだしね。幼いころより超能力に触れ、すっかり慣れ親しんでしまった男の子っていう設定(キャラ)や「恋をすると能力は消える」っていう惹句やら。導入時点での牽引力は凄まじい。もう期待度上がりまくり。

で、実際の感想なんだけど。上記通り設定やらシチュエーションやらはすごく良い。ロンドとの出逢いや鉄塔を登るところからのスタートとか。ただ、全体通して見ると“能力モノ”か“青春モノ”かで中途半端になってしまったなという印象。

時に能力バトルしたかと思えば、デートしたりラブコメ的テンプレイベをこなしたり。別にそれが悪いとは言ってない。実際。後半で劇的な何かじゃなく、日常の中でキャラ同士の親交が深まっていくとことか好きだし。

ただ、ドッペルゲンガーやら魔女の部分がおざなりというか……正直無駄な部分に思えてしまう。超能力と青春ってだけで充分だし、「恋をすると能力が喪われていく」ってとこにスポットが当たるの最後の最後だし。なんというか、惜しいんだよな。雰囲気とかテーマが好きなんだけに余計残念なんだよ。いっちゃなんだけど、文章も相まって割りと淡々として盛り上がりに欠けるし。あとな、ぶっちゃけ文章に関しては苦言を呈したい。高校生が背伸びして書いたような文章でぎこちないんだよな。

とまぁ、若干辛口な評価だけど。要素だけ抜き取るとマジで面白いし、僕は好きなんだよ……。


満足度:★★★☆☆
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感想は主にラノベが中心。ライトノベルとは本格的に読み始めて9年の付き合い。初めて読んだのは12年前くらい。好きなジャンルは百合とゼロ年代だけど、面白そうなら何でも読む。基本文を書くのも妄想するのも何かを作ることも好きなので、自分で小説とかも書いてたりする。

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